7/9(土)のシステマ南埼玉は、天候が雨だったから参加者が少ないんじゃないかと思ったが、
意外とそこそこの人数が集まって楽しく練習できた。

6月のシステマ南埼玉はインターナルワーク強化月間としていたが、
7月以降はしばらくの間、コンバティブ路線で練習することに決めている。
具体的なテーマは毎回変えていくつもりだったが、
今回のクラスは、久しぶりにグラウンドワークを練習することにした。

というのも、グラウンドでの動きを覚えることで、
戦う際の選択肢を大きく広げることができる。
また、グラウンドでリラックスして自由に動けるようになると、
システマの実力が格段に向上するから。

具体的な練習内容としては、まずクラスの前半に、
自分が自宅で週1回ほど定期的に行っている
グラウンドワークのメニューをじっくりと丁寧にシェアした。
かなり濃い目の内容だったが、効果が高いメニューばかりだから、
皆さんの自主トレの参考にしていただければと思う。

自分はシステマジャパンのクラスやセミナーなどで体験して上手くできなかったワークや、
非常に効果的だと思ったワークを、自主トレのメニューに随時取り入れてきた。
その自主トレのメニューの中でも、グラウンドワークはかなり重視していて、
週に1回は必ず自宅でグラウンドの動きを練習することにしている。

グラウンドワークといっても、スタンド状態のシステマとやることは特に変わらない。
ただシステマの原理にしたがって、呼吸してリラックスして動くだけ。
しかし、グラウンドではスタンドよりはるかに動きづらく、
筋力に頼って力んだ動きをしていたら、すぐに疲れてしまう。
そのグラウンドで、自由自在に泳ぐように動けるように練習すれば、
スタンドでは以前よりずっと楽に動けるようになるだろう。

護身の観点からすれば、戦いの際に安易にグラウンドに移行するべきでないという考えもある。
ただ、いざとなったらグラウンドでも戦えるという選択肢があれば、
スタンド状態で戦う際にも、余裕が出てくるように思う。

また、立位~中腰~座位~グラウンドなど、
あらゆる高さに自由に移行しながら戦えれば、
空間を三次元的に使った立体的なシステマが可能になる。
常にスタンド状態で戦う平面的なシステマよりも、
はるかに動きの奥行が増し、可能性が広がるといえる。
 

だから、システマ南埼玉の参加者の皆さんには、
自主トレのメニューにグラウンドワークを取り入れることをぜひお勧めしたい。

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クラスの後半は、グラウンドでのプッシュ、ストライクや、それを活かした自由攻防まで行った。

7.9 システマ南埼玉①

こちらは、スタンド~中腰~膝立ち~座位~寝た状態など、どの高さでも重みを活かしたストライクを打つ感覚を養うワークです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

7.9 システマ南埼玉②

グラウンド状態からの重いストライクが決まっています。

 

 

 

 

 

 

 

 

グラウンドで良いプッシュやストライクが打てると非常に効くし、
かなり有利に戦えるなと再認識した。

一般的にアジアの武術では、地面にしっかりとコネクトして打撃を放つものが多いように思う。
一方、システマのプッシュやストライクは、地面とのコネクトを切り、
空中に浮いた重みを流し込むような感覚で打つのが特徴。
だからこそ、片足立ちでも、立ち泳ぎしながらでも、
もちろんグラウンドでも、スタンド状態と変わらないストライクを打つことができる。
その点は、グラウンドにおけるシステマの大きな優位性だといえる。

例えば、グラウンドに倒されて抑え込まれた時も、
リラックスしてプッシュやストライクを打てば、大抵の場合は相手を跳ねのけられると思う。
 

ただ、自分より体が大きい肉厚の相手の場合、
プッシュやストライクがなかなか浸透せずに、一発では跳ねのけられないかもしれない。
 

かなり昔、そのような状況を想定したストライクの打ち方を開発したことを思い出したから、
今回の練習中に久しぶりに試してみたら、非常に効果的だった。

二重の極み! カッコいい!!

二重の極み! カッコいい!!

 

 

 

 

 

 

 

具体的には、相手にショートストライクを一発入れて、
その衝撃によるテンションが残っている間に素早く
二発目のストライク(またはプッシュ)を入れる・・というもの。
一発目で生じたテンションに次のストライクの衝撃がぶつかるから、相手は大きく動かされて崩れてしまう。
例えるなら、某時代劇漫画の必殺技で出てきた「二重の極み」のようなストライク・・という感じ。
まあ、種を明かせば大したことではないから、少し練習すれば、誰でも打てるようになると思う。

このようなトリッキーなストライクは、
スタンドで自由に動き回る相手に当てることは難しいだろうが、
グラウンドで密着した状態ならいつでも当てられるのが良い。
今回、久しぶりに昔の技を思い出して、なかなか新鮮だった。
 

システマのストライクは、「手首を真っ直ぐ」して「拳から」打つという要諦さえ守れば、
このような打ち方のバリエーションはいくらでも作れるから、
システマ練習生の皆さんも自分なりのオリジナル打法を編み出してみると面白いんじゃないかと思う。
 

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今回は珍しく、2時間半ずっとグラウンド尽くしのクラスにしてみたが、
普段はあまりやってこなかっただけに、参加者にとっては難しかったかもしれない。

ただ、グラウンドの練習を地道に続ければ、動きの質が格段に向上することは間違いない。
システマ南埼玉が発足したばかりの5年前にも、夏場に「グラウンド強化月間」を実施したら、
参加者のレベルが大分上がった記憶がある。
 

だから、今後もしばらくの間は、グラウンドワークを多めに練習に取り入れていこうと思う。