12/13(日)に参加した「掛け試し稽古会」の感想をご参考までに載せておきます。
(mixiの日記の転載です。)

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去る12月13日(日)、今年最後の「掛け試し稽古会」に参加してきた。
自分がこの稽古会に参加するのは、9月に続いて今回が2回目になる。

※ → 参加1回目の時の感想はこちら

様々な武術・格闘技の手練れ達が集結!

様々な武術・格闘技の手練れ達が集結!

掛け試し稽古会とは、練空武館の高久 昌義 館長が
主催している武術の交流会のこと。
寸止め、または、ごくライトコンタクトの
スパーリングをなるべく多くの人達、様々な流派の方達と行うことで、
普段練習している技を自由攻防の中でいかに出せるか・・・を
学ぶことを趣旨としている。

通常は毎月1回、日曜の午前中に実施されているが、
12月は会場の体育館をその時間に予約できなかったようで、
今回だけ特別に日曜の晩に実施することになった。

年末の忙しい時期に、普段とは違う時間に実施することもあり、
今回の参加人数は30人弱とやや少な目だった。
とはいっても、参加者の大半が、道場主や指導者、選手クラスの手練れぞろい。
人数が少ない分、一人一人と何度も濃い掛け試しができそうだと期待感が高まった。

いざ稽古会が始まると、
空手をはじめ、沖縄拳法、中国拳法、総合格闘技、キックボクシング、刀禅…などなど、
様々な流派の人達を相手に、延々とスパーを行った

前回の掛け試しに参加した時は、システマ修行者が多数参加していたが、
今回参加したシステマ使いは自分だけのようだった。

真剣勝負の熱気がムンムンです

真剣勝負の熱気がムンムンです

参加者の方々のベースとする武術・格闘技は様々に異なるし、
めちゃくちゃ動きが素早い人、蹴り技がキレキレな人、
制空圏のような圧力が凄くて、非常に攻めづらい人、・・・などなど、
戦うスタイルも人それぞれで、いろいろな味わいの強さを持つ人達と
対戦できて、とても面白かった。

2時間半にわたり、70ラウンドを消化して、
年末にスッキリといい汗をかけて充実感があった。
ただ、神経はそれなりに疲れたが、身体の疲れはほとんどなかった。
この辺りに、呼吸を止めず、筋力に頼らずリラックスして動く
システマの優位性を感じた。

自分も前回に比べればリラックスして戦えた気がします

自分も前回に比べればリラックスして戦えた気がします

前回の掛け試しでは、急な出入りを繰り返したためか、
足の裏の皮がむけてしまい痛かったものだったが
今回は足の皮がむけることはなかった。
前回より無駄な動きが減り、リラックスして戦えたからだろう。

掛け試し稽古会に初参加した前回は、
他流派の方と戦うのはどのようなものかと不安もあり、
スパーの間はかなり警戒して慎重に様子見することが多かった。
システマらしく戦うというより、対戦相手のリズムに付き合って、
ついつい空手やキックらしい戦い方に乗ってしまったことも反省点の1つだった。

今回は2回目ということで、前回よりリラックスして、
相手のペースに付き合わず、システマ濃度が高めの戦い方ができたと思う。

また、相手の隙を感じたら積極的に攻めようとか、
遠間よりシステマが得意な接近戦に持ち込もうとか、
組みにいってテイクダウンを試そうとか、
事前に決めていたテーマがそれなりに実践できた手応えがあった。
自由攻防の中で、いろいろと実験できて良かった。

ただ、前回より意識して踏み込んで攻めたせいか、
有効打を入れることは大幅に増えたが、相手の攻撃を食らうことも増えてしまった。
ライトコンタクトでなければ、ヤバい打撃も結構食らっていた。

相手を様子見したり守勢に回っている間は基本的にcalmなステイトを保てたと思うが、
攻撃している間は、ついつい相手に当てたいとか勝ちたいという助平心が出ていけない。

対戦相手の隙を感じたら、「よっしゃ~!」とか「行ったれ~!!」と好戦的なスイッチが入り、
相手の動きを感じながらというより、自分のイケイケドンドン的な勢いに任せて
畳み掛けることが多かった。その結果、相手のカウンター攻撃を食らうことが増えてしまった。

相手も手練れぞろいだから、カウンターの技術がお見事!という場合もあったが、
食らった打撃の大半は、自分の不注意によるものだったなと反省した。
次に掛け試しに参加する時は、その辺をもっと気をつけようと思う。

それと同時に、攻撃する時にこそ、隙が出来がちだなとも感じた。
システマの戦闘スタイルとしては、相手の攻撃に反応してのカウンターの形が多いが、
実際に自分から攻め込んでみると、その合理性が理解できた。
その点も含めて、今回の掛け試しでいろいろと実験してみて、大きな収穫があった。

掛け試し稽古会でのスパーリングは、
普段の練習とは間合いも戦い方も異なりがちで、
システマとは別ジャンルのことをやっているとは重々承知している。
ただ自分としては、他流派の様々なスタイルの人を相手にして、
いかにシステマらしく戦うか、というテーマを試す
実験の場にさせていただいている。

いや~、掛け試し稽古会って、本当にイイものですね!

いや~、掛け試し稽古会って、本当にイイものですね!

またこの稽古会は、錚々たる経歴の強い人達と和やかに拳を交えられる
非常に貴重な場だなと改めて思った。本気の打撃は入れず、寸止めかごくライトな当て止め、
良いタイミングで攻撃を食らったら「いただきました!」と自分から宣言する・・・など、
安全に気持ちよく戦えるように、ルールが十分に整備されているのが良い。

また、参加者の皆さんはみんな紳士的で、場の雰囲気が良いから、
他流試合や異種格闘技戦のような殺伐感もなく、
かといって馴れ合いでもなく、真剣な神経戦を楽しめるのは素晴らしいと思った。

余談だが、自分が若い頃にほんの短期間かじっていた太気拳のS師範と
十数年ぶりに手合わせさせていただけたのは嬉しかった。
流石にS師範は強く、良いパンチを食らってしまったが。
このような武縁のつながりは大事にしていきたい。

今年はシステマや刀禅など様々な武術修行を重ねてきた中で、
自分にとって、この掛け試し稽古会が最も大きな刺激を受けたイベントだった。
来年も、何とか家庭内予選を勝ち抜いて、ぜひ参加してみたいと考えている。
(さすがに毎回とはいかないが・・・)

磨いた腕を試したい方、自分の武術を高めたい方にもぜひ、
掛け試し稽古会に参加されることをお勧めしたい。