10月10日(日)に行った通常クラスの感想をご参考までに書いておきたい。

以前のブログ記事にも書いたように、
10月1日(土)の大西インストラクターのワークショップで教わった
「受動的ブリージング」(第二の呼吸、ミニマムブリージング)が非常に奥深いものだったから、
システマ南埼玉でもぜひシェアしたいと考えていた。

しかし、従来のシステマでは、呼吸で動きを導くのが基本だが
「受動的ブリージング」ではその逆で、動きが呼吸を導く

今までとは正反対の呼吸法で、高度で難しいだけに、
「受動的ブリージング」をクラスでシェアする際は、慎重にやる必要があると思った。
システマ初心者の方が、いきなり最先端の呼吸法を学んでも、
混乱するだけではないか、という懸念がある。
 

だから、10月は「呼吸強化月間」と設定し、 この機会にシステマの呼吸法を基本から応用まで、
一通り復習・検証した上で、無理のない形で「受動的ブリージング」に取り組んでいきたいと考えた。

今回のクラスは呼吸強化月間の初回ということで、
高度で難解な内容は避けて、システマのごく基本的な呼吸法の効果を
様々な動きの中で確認してみることにした。 

ご参考までに、今回のクラスの練習内容の一部を画像とキャプションでご紹介したい。

また、Facebookのシステマ南埼玉のページには動画も載せているから、
特にクラスに参加した方は復習のためにも、
自分の動きを動画でチェックしていただくとよいかと思う。

 

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【10/9 システマ南埼玉の練習風景①】 このワークは、今まで何百回もやっている座禅転がり。リラックスした体の中の重心を転がすことで動いていくわけですが、今回は特に呼吸による動きのコントロールを意識して行いました。座禅転がりがうまくいかない人も、呼吸を活用することで、5秒で起き上がり、10秒で、20秒で・・・と、どんどん難しい座禅転がりができるようになると思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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【10/9 システマ南埼玉の練習風景②】 こちらも、おなじみの部分から始動する動きのワークですが、今回は呼吸を意識することで、今までとは少し違った味わいになったかと思います。例えば、A井さんがやっていたように、動き出しは吸って始めて、動きが詰まったら吐いてリラックスする・・など、いろいろと工夫してみると面白いですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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【10/9 システマ南埼玉の練習風景③】 こちらは、「動きの究極ワーク」として最近のマイブームになっているワークです。Playstation4の3Dのゲームのように、三次元の空間を非常に細かい画素の集まりのようにイメージし、その中を、①あらゆる方向に ②あらゆる距離に ③あらゆる部位から始動して ④あらゆる速度で・・・自分の重心点を自由に精密に操作して、リラックスして動いていくわけです。このワークに習熟したら、ゼットラー兄弟のように自由自在な動きが可能になるのではないかと思います。 今回はさらに、このワークに呼吸の要素を加えて行いました。呼吸によるピッチコントロールや、動きの詰まりを呼吸で解消したり・・・などなど、呼吸の効果を感じながら、動きの自由度を上げていきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「動きの究極ワーク」で体を練った上で、攻撃・回避をリラックスして自由に行うワークも行いました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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【10/9 システマ南埼玉の練習風景④】 こちらは、プッシュアップを筋力を使わずに、呼吸による内圧のポンプ効果のみで行うワーク。このようなワークを通じて、呼吸の効果を体感しておくと、先日学んだ「受動的ブリージング」も理解しやすいのではないかと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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【10/9 システマ南埼玉の練習風景⑤】 こちらは、基本中の基本のプッシュと受け流し。今回は、プッシュする方も受け流す方も、「息を吐きながら」「息を吸いながら」「息を止めて」・・・など様々な呼吸による動きを試しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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【10/9 システマ南埼玉の練習風景⑥】 こちらも、頻繁に行っているプッシュスパーですが、呼吸を意識することで、普段とは違った味わいが出てきます。例えば、相手と実力差が大きい場合は、上手い方があえて息を止めてプッシュしたり受け流すことで、将棋の飛車角落ちのようにレベル差を縮めてスパーすることができます。また、相手の呼吸が詰まったタイミングでプッシュすると大きく崩せたり・・などなど、様々な発見が得られると思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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【10/9 システマ南埼玉の練習風景⑦】 ストライクを打つ方も受け流す方も、「息を吐きながら」「息を吸いながら」「息を止めて」・・・など様々な呼吸のパターンで行いました。息を止めて受けると、軽いストライクでもエグい威力になることが分かったかと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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【10/9 システマ南埼玉の練習風景⑧】 こちらは、テイクダウンする方も受ける方も、「息を吐きながら」「息を吸いながら」「息を止めて」・・・など様々な呼吸のパターンで行いました。息を止めてテイクダウンされると危険ということがよく分かったかと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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【10/9 システマ南埼玉の練習風景⑨】 クラスの最後に行ったフリーワーク。前半は攻め手と受け手の役割を決めて、後半は完全な自由攻防で行いました。このようなフリーワークでは、相手と動きがぶつかったり、動きが詰まったりしてグチャグチャになりがちですが、今回は割合にうまく動いていた人が目立ちました。普段より呼吸を意識した効果ですかね?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・おおよそ、以上の練習メニューを、徹底的に呼吸を意識してやってみた。

システマ四大原則の中でも、呼吸は特に大事だと、
システマ南埼玉のクラスでは以前から常に伝えてきたつもりではある。
しかし最近では、呼吸の重要性は当然のこととして認識されているだろうと思い、
あまり強調してはいなかった。今回、システマの基本的な呼吸法を復習し、
その効果を様々な動きの中で検証してみて、その素晴らしさを改めて感じた。
「いや〜、呼吸って、とってもいいもんですね‼」・・と水野晴郎の口調で言いたくなった。 

また、最新の呼吸法である「受動的ブリージング」(第二の呼吸、ミニマムブリージング)を学んだことで、
昔からさんざんやってきたシステマの基本的な呼吸法の良さを再発見した面もあった。

今回に限らず、最新のシステマの原理を通して
昔からやってきたワークを見直すと、新たな発見をすることが多い。

例えば、自分は数年前からミカエル師が提唱している インターナルワーク中心のシステマ、
いわゆる、 ニュースクールの習得に熱心に取り組んでいる。
 

インターナルワークは非常に奥深く、絶大な効果を持つから、
ついつい、そればかり練習したくなる気持ちになることもある。
しかし、インターナルワークを探求していく中で、
昔ながらのエクスターナルなシステマの良さも改めて感じられるようになった。
 

ただ、そう感じるのも、自分が何年も地道にエクスターナルなシステマを練習してきたからであって、
システマを習い始めた最初からいきなりインターナルワークを学んでいたら、
何のことやらサッパリ分からなかったかもしれない・・とも思う。
エクスターナルをしっかり学んだからこそ、インターナルも理解できたような気がする。

自分としては、システマの初心者の内はインターナルワークをやるより、
まずは基本のエクスターナルなシステマを十分に身に着ける必要があると考えている。

小学生が難解な高等数学をいきなり勉強しようとするのも無理があるから、
まずは算数をしっかりと学ばないとお話にならないようなものだと思う。

呼吸についても同じことがいえるだろう。システマ初心者がいきなり
「受動的ブリージング」の素晴らしさを実感し、自分の動きに活用しようとしても、
かなり辛そうな気がする。 

だから、10月の「呼吸強化月間」を通じて、
参加者の皆さんにシステマの呼吸についての認識を深めてもらうことで、
「受動的ブリージング」の奥深さを感じられるようになってほしいと思う。