9月10日(土)のシステマ南埼玉では、
久しぶりにキック、レッグワークをテーマに練習した。
過去のシステマ南埼玉では半年に1回ほどしかキックはやっておらず、
腕を使ったストライクなどに比べて練習の頻度が少ないため、
この機会にみっちりとキックを基礎から練習しようと思った。
前回の9月3日(土)のクラスでは、拳から打つ基本的なストライクだけでなく、
肘・肩・膝・・・など、体のあらゆる部位から打つストライクを練習したが、
これも実は、今回のキックに無理なくつなげるために設定したテーマだった。
今回は前回のクラスの延長として、足を手のように自在に使って、
『キック』=『足で行うプッシュ、ストライク』という感覚で出せるようになる
・・というコンセプトで練習メニューを組んでみた。
1回のクラスでシステマのキックの技法を一通りこなすのは無理があるから、
今回はとにかく、システマのキックの基礎的な考え方を伝え、
足で正確にプッシュキックができるようになることだけを目指した。
ご参考までに、9月10日(土)のシステマ南埼玉のクラスの
練習内容の一部を画像とキャプションでご紹介したい。
また、Facebookのシステマ南埼玉のページには動画も載せているから、
特にクラスに参加した方は復習のためにも、
自分の動きを動画でチェックしていただくとよいかと思う。
今回の参加者には、システマ群馬のN呂IiTなどシステマ歴が長い人が揃っていたが、
これほどキック尽くしの練習はあまりやっていないはずだから、新鮮だったのではないかと思う。
また、空手やジークンドーの経験者のIさんが、
システマのキックって特殊ですね・・と言っていたのは印象的だった。
自分はここ数年、システマのキックばかり練習しているから、すっかりその感覚になじんでいるが、
他の格闘技経験者からすれば、独特のものがあるらしい。
その辺りにシステマの優位性があるのだろうと思う。
自分もフルコンタクト空手を少しかじった経験があるが、
たしかにシステマのキックは、空手の蹴りと比べるとかなり異質だから、
システマ修行を始めた当初は戸惑ったものだった。
空手の蹴りは一般的に、地面を蹴る反力と腰の回転力を蹴り足に伝えて打つ。
このような蹴り方はインパクトの衝撃力は大きくできるが、
繊細なコントロールを行うことは難しい。
どの部位に当てるか・・までは調節できても、どの方向にどれくらいの深さまで蹴りを入れるか
・・といった細かいベクトルの調整は難しいと思う。
それが可能な人がいたとしても、非常に運動神経が良かったり、センスがある人に限られるだろう。
一方、システマのキックは、地面を蹴ったり腰を回転させることはほとんどなく、
蹴り足から始動して動き、筋力でなくリラックスした足の重みを活かして打つ。
このような蹴り方の場合、蹴り足からリードして動くシンプルな軌道だから、
当てる部位・深さ・方向など、繊細にコントロールすることが可能となる。
だから、キックでテイクダウンすることも簡単にできるといえる。
また、腕の何倍も重い足でストライクを放つわけだから、
やろうと思ったら、物凄い威力のキックを打つこともできる(危ないから自分は本気で蹴ったことはないが)。
繊細なコントロールと強大な威力を両立させている点に、システマのキックの魅力を感じる。
ただ、威力のあるキックを打とうとすると、
筋力に頼った力んだ蹴りになったり、細かいコントロールを失う傾向がある。
リラックスして打てば足の重みで自ずと威力は出るから、
まずは精度を重視してキックすることが大事だと思う。
システマでは、プッシュやストライク、テイクダウンを手や腕を使って行うことが多いが、
足も使えるようになると、攻防の幅が格段に広がることは間違いない。
次回のクラスでも引き続きキックをテーマに練習する予定だから、
システマ南埼玉の参加者の皆さんには、この機会にシステマのキックを
ぜひ身に着けていただきたいと思う。