2/11(木)に行なったシステマ夜練の感想をご参考までに載せておきます。
(mixiの日記の転載です。)
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システマ東埼玉のT中さんからの要望を受けて、
今夜は久しぶりにシステマ夜練を実施した。
T中さんは風邪からの病み上がりのため、
繊細なワークをやりたいとのことで、
インターナル中心の内容を練習することにした。
ちょうど、今週土曜の通常クラスのメニューを作っていたから、
その予行練習のつもりで、ほぼ同じ内容を
T中さんとマンツーマンでやってみた。
まず準備運動として、ライトブリージングなどで
体の各部、全体に呼吸を通す感覚を養った。
続いて、受け手が壁に背中をつけて立ち、
パートナーが拳を腹につけて寄りかかった状態を作り、
受け手が呼吸を腹に通してパートナーを跳ねのけるワークを行った。
このワークをやるのは、1月下旬のO西師匠のワークショップ以来だったが、
思いのほか上手くできた。体の外側の筋肉を力ませる度合いが減り、
皮袋の内側に液体や気体を満たしたような充実した内圧が出てきた。
その状態から呼吸の力で相手の拳にアプローチすると、
筋肉で跳ね返すより、はるかに大きく相手を崩すことができる。
さすがに、O西師匠のような薄皮饅頭のような体には達していないが、
ワークショップ以来、地道にインターナルの練習をやってきた成果が出てきたようで嬉しかった。
今後も、内側をトロトロにリラックスさせて
内圧を満たした体をじっくりと練っていこうと思った。
その後、呼吸を体に通して四大運動したり、
呼吸してリラックスして重心移動でムービングなど行った。
続いて、意識を胸に落としたステイトを作ったり、
意識により体の重心を移動させたり、
意識・重心を上丹田・中丹田・下丹田に移したりと、いろいろと実験した上で、
今回の夜練の本題である “重みを活かす” という内容に発展していった。
一般的に、体の外側の筋肉を力んで稼働させると
強い筋力は発揮できるが、体の重みは活かしづらくなる。
逆に、リラックスすればするほど、重心移動のパワーを発揮することができ、
システマらしい自由かつ強力な動きが実現できるといえる。
だから、システマ南埼玉では発足当時から、
リラックスして重みを活かすとか重心移動については非常に重視してきたが、
今回のクラスでは1月23日(土)の大西師のワークショップで得られた
新たな感覚も加えてみた。
具体的には、「足と地面とのコネクトを切る」「浮いた重みを流し込む」感覚で
プッシュやストライク、テイクダウンや関節技など、様々な動きを試したわけだが、
この感覚があると、重力や慣性のパワーをより効果的に活用できると感じた。
例えば、ベンチプレス100kg以上挙がるようなムキムキに鍛えた体でパンチを打っても、
筋肉の収縮に頼れば頼るほど、痛くても軽いパンチになってしまう。
それよりも、空中に浮いた4~5kgの鉄アレイが飛んで行くような感覚で打った方が、
相手を大きく吹っ飛ばせる効果的なストライクになる。
テイクダウンや関節技を掛ける時も、力任せにやるより、
相手との接触部に子泣き爺いのようにズッシリとした重みが生じるような感覚で行うと、
驚くほど簡単に相手を崩すことができる。
自分がシステマを修行している大きな理由の1つに、
体格差を克服できる強さを得たい、年を取っても衰えない強さを得たい、という気持ちがある。
なかなか難しいテーマだが、筋力に頼る割合を減らし、
リラックスして自分の重みを活用する度合いを高めることで、
この理想に近づけるのではないかと考えている。
ただ、相手から強いプレッシャーを受けたり、
スピードが速い攻防になるほど、
体を緊張させた「筋力稼働モード」になる傾向がある。
本能的な体の防衛反応が働いてしまう。
そういう時こそ、呼吸も活用しながらカームなステイトを保ち、
「リラックスして重みを活かすモード」に戻す必要があると思う。
今回の夜練の最後は、T中さんを相手に、
レスリングのスパーから始めて、
打撃を含めて何でも有りのスロースパー、
リアルスピードの何でも有りスパーへと発展していった。
その中で、細かいテクニックは考えず、
緊張する状況で「リラックスした重みを活かすモード」を保つことを意識した。
短時間で済ますつもりが、30分近くもスパーを続けてしまったが、
やればやるほど、打撃もテイクダウンも関節技も含め、
全ての動きを「浮いた重みを流し込む」意識でやる感覚が身についてきた。
純粋なシンプルな同じ原理で、あらゆる状況に対応できるような自由な感覚だった。
2月の寒空の下、長時間のマニアックな練習に付き合ってくれたT中さんに感謝したい。
最近は仕事が忙しく、心身共にモヤモヤした感じだったが、
今回の夜練を通じて、スッキリと浄化された新鮮な気分になった。
たんなる武術にとどまらないシステマの素晴らしさを感じた。
この勢いで、明日からの仕事も頑張ろうと思う。