12/26(土)に行なった通常クラスの感想をご参考までに載せておきます。
(mixiの日記の転載です。)

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12/26(土)の2015年最後のクラスは、前半はストライクの精度・効果を増すためのポイントの総復習、後半はシステマ風にアレンジした掛け試し式ライトスパー大会…という盛りだくさんの内容で練習を行った。

みんな大好きな(?)ストライクというテーマに惹かれたのか、システマ界では珍しい「掛け試し」という試みに興味を持ったのか分からないが、参加者は自分を含めて10名が集まる盛況だった。システマ群馬のN呂IiT、システマ太田のT羽田IiT、システマジャパンの先輩のマスターE藤など、豪華な面子が揃い、充実した練習ができそうだと期待感が高まった。

2015年の最後のクラスも盛況で充実した練習ができました。

2015年の最後のクラスも盛況で、充実した練習ができました。

 

 

 

 

 

 

 

 

具体的なメニューとしては、まず、手首を真っ直ぐにできているか、また、背中〜腰のラインが適切かを確認。そして、壁ワークを通じてリラックスした強い姿勢を体に定着させた上で、プッシュアップのフォームを入念にチェックした。

続いて、先日のシステマジャパン ワンデイ・ワークショップの際にO西インストラクターから教わったストライクの秘訣をシェアした。背中がリラックスして肩甲骨が後方に落ちた「チャージ」状態を作り、さらに、拳からの先端の動きや、指先から巻き込むようや拳の握りなどの要素を加えていき、ストライクの効果がどのように変わるかを検証していった。クラスの最初の方で行ったプッシュアップのフォームの確認も含め、ストライクを向上させるための様々な要素を、ざっと駆け足で総復習したことになる。

今回のクラスの参加者には、システマ歴が長い人も初心者もいたが、人それぞれにストライクの改善すべき点が見つかったのではないかと思う。それなりに効果的なストライクを打てる人がほとんどではあるが、さらに細かい点を修正していくことで、より質の高いストライクが打てるようになるだろう。

個人的には、ストライクを打った時のエネルギーの浸透の具合が今ひとつだったのが反省点だった。回転式ストライクを打っても、思うように相手の体を動かせず、もどかしかった。

自分は11月のヴラディミア師のセミナーの後に回転式ストライクをかなり練習したから、その時点でそこそこのレベルには達していたと思う。その後、12月のワンデイ・ワークショップでO西さんから肩の「チャージ」状態を教わり、さらに回転式ストライクがレベルアップできたと喜んでいたものだった。

しかし、今回のクラスで久しぶりに回転式ストライクを打ってみると、肩の「チャージ」状態を意識しすぎて他の要素がおろそかになったせいか、以前よりダメダメなストライクにレベルダウンしてしまっていた。これには結構、ガックリさせられた。

考えてみると、新しい「チャージ」という要素を加えることによって、以前はそれなりにまとまっていたストライクの感覚が崩れてしまったのが原因だろう。プロ野球の打者やプロゴルファーが、スイングを修正しすることでかえってダメになってしまうようなものだと思う。また、ワンデイ・ワークショップの後にストライクの練習をろくにやっていないのも痛かった。

だから、自分のストライクをより高いレベルに引き上げるためには、一時的にパフォーマンスが落ちるのは仕方ないと割り切ることにした。「チャージ」感覚を体に定着させてストライクの向上に直結させるためにも、今後はサボらずに練習に励もうと思う。

掛け試しは対戦相手と遠く離れた位置から開始しますが、離れていても相手や状況とコネクトしておくことか大事です。

掛け試しは対戦相手と遠く離れた位置から開始しますが、離れていても相手や状況とコネクトしておくことが大事です。

 

 

 

 

 

 

 

 

続いて、クラスの後半にはいよいよ、システマ風「掛け試し」を開始した。このスパーリング大会を運営するにあたり、錬空武館が主催している「掛け試し稽古会」の形式をかなり参考にさせていただいた。ただし、「掛け試し稽古会」はあくまで打撃が主体であり、システマの大きな要素であるテイクダウンやグラウンドの攻防などは認められていない。だから、今回の掛け試しは、システマ風に大幅にアレンジした形で実施してみた。

システマ風「掛け試し」の具体的な運営方針は以下の通り。

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【システマ風「掛け試し」運営方針】

■ コンセプトは、コントロール&サバイブ。勝負にこだわったり、相手の打ちのめすのではなく、
自分も相手も状況全体もコントロールして、サバイブできればそれでよい。

■ 馴れ合いを避けて実戦を意識するために、参加者自身が戦う環境を自由にイメージすることを推奨する。

例)治安が悪い、馴染みのない街を歩いていると、前方から人が来て、戦いになりそうな雰囲気。
その状況からどうサバイブするか…という状況設定。
⇒ 歌舞伎町、外国のスラム街、修羅の国…などなど、状況設定は参加者の好きなイメージに任せる。

■ 1ラウンド2分、インターバル1分で、次々に対戦相手を変えてライトスパーを回していく。
インターバルの間は、自分の動きを反省したり、お互いに感想を述べあったり、
乱れたステイトを元に戻す時間とする。

■ スパー開始時は、参加者は2列に分かれて壁際に立つ。
そして、壁に向いた状態から対戦相手の方に向き直ってからスタート。
⇒ 相手と離れた距離でもすでにスパーは始まっている。そこから相手や状況全体にコネクトすること。

■ 接近して相手を制圧してもよいが、無理に戦わなくてもよい。
スパー中ずっと様子見したり、逃げ回ってもOK。
状況をコントロールする方法は参加者の自由に任せる。

■ 基本的に打撃でもレスリングでもグラウンドでも何でもやってよい。
ただし、相手に怪我をさせないのが大前提。攻撃の度合いを適切にコントロールするのも修行のひとつ。
危険すぎず、馴れ合いにならず、適度な攻撃を目指す。

■ 特に、顔面への打撃、関節技、体重を預けるようなテイクダウンを行う際は、十分に注意する。

■ 打撃はコントロールできれば速く打ったり、深く入れてもよい。
ただし、相手のレベルを考慮すること。
また、コントロールが不安なら、寸止め、または、プッシュストライクにして安全に行う。

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…という形式で掛け試しを行ったわけだが、参加者総当たりで2分×8ラウンドを実施できた。

打撃だけでなくテイクダウンもグラウンドも何でも有りでやったから、怪我が心配だったが、何事もなく無事に終わって良かった。危険すぎず、馴れ合いにもならない良い加減でやれたと思う。

このような自由度が高いスパーは、相手や状況を感じられない人や、力が制御できない人には難しい。クラスをリードする立場としては、危ない人がいたら止めなければと思っていたが、参加者全員がスパーの趣旨を理解してくれて、適度なバランスを保ってくれた。それだけシステマ南埼玉の参加者のレベルが上がってきたのだと嬉しく思った。

参加者の動きを見ていると、第1ラウンドでは掛け試しの中でどんな風にやればよいかよく分からず、ぎこちない感じがあった。

12月26日・ラウンド1

システマ風掛け試し・第1ラウンド。打撃でもテイクダウンでもグラウンドでも何でも有り、攻めても守っても逃げてもお見合いしても何でもOKという超自由なルールでやりましたが、最初は皆さん、どんな風にやればよいかよく分からず、ぎこちない感じです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし、第2ラウンド以降になると、皆が掛け試しに慣れてきた様子。
各人が様々な動きを試し始めたから、見ていて面白かった。

12月26日・ラウンド2

システマ風掛け試し・第2ラウンド。そろそろ皆さん、掛け試しに慣れてきたようで、いろいろな動きを試し始めた様子です。朝霞の核弾頭・K場さんと、システマ太田のT羽田IiTのグラウンドの攻防も見られました。

 

 

システマ風掛け試し・第3ラウンド。T羽田IiTが新空手っぽいスタイルで積極的に攻め出しました。システマの感覚だとどうしても、相手の動きに反応してのカウンターの形になりやすく、様子見が続いたり膠着しがちではあります。なので、こういう実験的なスパーの時は、あえて攻めてみるのも勉強になると思います。

システマ風掛け試し・第3ラウンド。T羽田IiTが新空手っぽいスタイルで積極的に攻め出しました。システマの感覚だとどうしても、相手の動きに反応してのカウンターの形になりやすく、様子見が続いたり膠着しがちではあります。なので、こういう実験的なスパーの時は、あえて攻めてみるのも勉強になると思います。

四大原則を守れば、どのように動いてもいいという設定だったから、合気道技や空手のコンビネーション、総合格闘技的なタックルやグラウンドの攻防…などなど、参加者の過去の経験が自然に動きに出ていて興味深かった。

12月26日・ラウンド4

システマ風掛け試し・第4ラウンド。朝霞のI野さんとシステマ群馬のN呂IiTの白熱した勝負が見られました。I野さんのヒクソンばりのチョークスリーパーが決まった時にはオオッと思いました。

12月26日・ラウンド5

システマ風掛け試し・第5ラウンド。システマ群馬のN呂IiTと、システマ太田のT羽田IiTの攻防は見応えがありました。群馬システマ界の覇権を争う頂上決戦という感じでした。

掛け試しをやる上で少々悩ましく感じたこともあった。システマの感覚でやると、どうしても相手の動きに反応してのカウンター狙いになりやすい。対戦者同士がそれをやるとお見合いや膠着状態になりやすいのは、参加者自身も気付いたようだった。

自分としては、格闘技的なスパーでなく武術的なスパーにしたいと考えているから、お見合いや探り合いの状態が続いても、それはそれでいいと思う。しかし、その辺りを物足りなく感じる人もいたかもしれない。掛け試しをどのようなスパーにするかは、人それぞれ、好みがあるだろう。

掛け試しの中でもっと攻防する状況を増やしたいと思う人は、つい様子見したりカウンター狙いしたくなる気持ちを抑えて、あえてシステマの感覚を活かしながら攻めてみるとよいかもしれない。このような実験的なスパーの際は、参加者それぞれがテーマを決めて、いろいろと試してみればいいと思う。

また、スパーの中でもっと積極的に攻防する時間を増やすには、1人は攻める側、もう1人は守りつつ反撃する側に設定するなど、役割をある程度決めた上での自由攻防にするのもいいかもしれない。その辺りの掛け試しのルールは、今後も整備していこうと思う。

12月26日・ラウンド6

システマ風掛け試し・第6ラウンド。マスターE藤vsH野さんの合気道対決と、I野さんのマウントポジションからのパウンドが見どころでした。(※もちろんパウンドといってもガチでは入れず、ごく浅いタッチ程度です。)

 

 

 

 

 

 

 

 

12月26日・ラウンド7

システマ風掛け試し・第7ラウンド。T羽田IiTvsH野さんの攻防は見応えがありました。H野さんの鮮やかな小手返しが決まっています。H野さんは合気道の自由攻防の試合にも出たことがあるそうです。 実は、この後にも第8ラウンドを行いましたが、撮影係の自分も飛び入り参加したので、動画は撮れませんでした。自分はI野さんと緊張感ある攻防ができて楽しかったです。

 

それはさておき、今回のライトスパー大会は参加者に面白い!と大好評だった。自分としても掛け試しをシステマ風にアレンジする実験が成功した手応えがあった。

だから、システマ南埼玉では今後も月1回程度、システマ風掛け試しを実施していこうと思う。緊張感ある自由攻防の中で、システマの感覚でどの程度動けるかを確認したい方は、ぜひ参加されることをお勧めしたい。

スパーをやりっぱなしではなく、終わったらすぐに対戦相手と感想をシェアすることで、お互いのシステマを向上させることを目指します。

スパーをやりっぱなしではなく、終わったらすぐに対戦相手と感想をシェアすることで、お互いのシステマを向上させることを目指します。

12月26日・マスアタック

2015年の最終クラスはわりと参加人数が多かったので、おなじみのマスアタックで締めました。システマ風掛け試しを8ラウンド行った後なので、さすがに皆さん、動きにキレがありませんでした(笑)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【掛け試し参加者へのお知らせ】
システマ風掛け試しの動画をFacebookの「システマ南埼玉」のページに載せておきました。
掛け試しに参加した方は、自分の動きを確認するためにも、ぜひ動画を見ることをお勧めします。