7月1日(土)~7月2日(日)に
システマジャパンの主催による
アダム・ゼットラー師の東京セミナーに参加してきましたので、
その感想を書いておきたいと思います。
兄のアダム、弟のブレンダンのゼットラー兄弟といえば、
トロント本部に所属するシニア・インストラクターで、
“システマ・ツインズ”として非常に有名です。
彼らはヴラディミア・ヴァシリエフ師から息子のように可愛がられている高弟で、
まだ若いのに(今は30歳過ぎぐらいですかね?)、とてつもない実力を持っていますから、
どんな練習をすればあんな風になれるのかと、
自分は以前からゼットラー兄弟に興味がありました。
実は、自分も双子の兄弟の一人なので、
個人的にゼットラー兄弟に親近感がわく・・という面もあります。
2012年には弟のブレンダン・ゼットラー師の東京セミナーに参加し、
自由でリラックスした動きを重視する
スカッとコンバティブなシステマに大いに影響を受けたものです。
だから、兄のアダム・ゼットラー師がこの7月に
日本で初めて単独のセミナーを開催するということで、
アダム師の方はどんなシステマを見せてくれるんだろう?
・・と、楽しみにしていました。
セミナー1日目の会場は、豊洲のテントドーム。
参加者は60数人くらいでした。
集客が分散したという面があるのかもしれません。
アダム師に直接触れ合える機会がたくさんありましたから、
かなりお得なセミナーだったと思います。
背はあまり高くありませんが、熊みたいなゴツい雰囲気です。
それはさておき、今回のアダム師の東京セミナーのテーマは、
「リラックスの力」ということでした。
具体的な練習内容としては、
全身をリラックスさせて呼吸を通して、
エネルギーを満たしたフルな体で動く、というコンセプトで、
グラブエスケープやテイクダウン、ストライクなど様々なワークを行いました。
自分は今回のセミナーでアダム師の動きを見るにあたり、
ゼットラー兄弟のことだから、キビキビと軽快に動き回って、
ストライクをビシバシと打ち込むような
コンバティブなシステマを見せてくれるだろう・・という期待がありました。
ところが、トロント本部のシニア・インストラクターであるアダム師のシステマにも、
モスクワ本部のような、奥深いインターナルワークの要素がかなり感じられたのは意外でした。
5月のダニール・リャブコ師のセミナーとも共通する内容が多かった印象です。
トロント本部もモスクワ本部も、目指すシステマの姿は同じなんだろうなと思いました。
ただ、インターナルな要素が多分にあるものの、
アダム師の教え方はシンプルで具体的で分かりやすく、感心しました。
インターナルワークは難しいと感じる人も多いと思いますが、
アダム師のような教え方なら、システマ初心者にも無理なく伝わるような気がします。
5月のセミナーでのダニール師の教え方とは違ったアプローチで
システマへの理解を深められ、セミナー1日目は非常に満足感がある内容でした。
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セミナー2日目の会場は、 システマーにはおなじみの
荒川総合スポーツセンターでした。
自分は今までに荒川総合スポーツセンターを
少なくとも20回以上はセミナーなどで利用していますから、
ややアウェイ感のある豊洲テントドームにくらべて、
ホームの安心感があります。
また、熱気がこもるテントドームにくらべて、
荒川総合スポーツセンターの武道場は扇風機での送風もあるため、
空調の面でも快適に練習することができました。
セミナー2日目も、
全身をリラックスして呼吸を通してフルな体で動く、
というコンセプトは1日目と同様で、
午前中はストライク、午後はナイフワークを練習しました。
前日のセミナー1日目は、
予想外にモスクワ的なインターナルワークの要素が多いなという印象でしたが、
2日目はその感覚を基盤にして、
激しく動いて格闘するトロントらしいワークが盛り沢山でした。
モスクワ系のインターナルも、
トロント系のコンバティブも両方あって、非常に充実した内容でしたね。
蒸し暑い中でさんざん動き回って汗ダクダクになり疲れましたが、
みっちりと良い練習をしたという充実感がありました。
セミナー2日目は、激しいコンバティブなワークが多かったですが、
ただビシバシと格闘すればいいということではなく、
セミナーのテーマである「リラックスの力」を活用することが求められます。
アダム師の教え方は、シンプルで具体的で分かりやすいとはいえ、
求められる動きのレベルは非常に高く、かなり難しく感じました。
頭では分かるけれども、なかなか身体がうまく動きません。
もっと、もっと練習が必要だなと思いました。
有難いことに、アダム師は「リラックスの力」という大きな原理だけでなく、
それを身につけるための様々なワークや、細かい参考情報もたくさん教えてくれたため、
今後の自分の練習に役立てられる要素が満載でした。
体もたくさん動かし、得られた情報量も豊富でしたから、
セミナー2日目も、非常に満足感のある内容でした。
また、セミナー2日目にもアダム師と何度も組ませてもらうことができ、
素晴らしい動きを体感できたのは良かったです。
自分は軽く動けて、相手には重くなる…という「リラックスの力」を
アダム師はまさに体現していました。
アダム師には今回に限らず、
いずれまた来日してセミナーをやってほしいと思いますね。
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自分は今回のセミナーに参加するにあたり、
2012年のブレンダン・ゼットラー師の東京セミナーの動画を見返したりして、
ゼットラー兄弟のシステマはどれだけ変化しているんだろう?・・とか、
アダム師のシステマって、ブレンダン師と違う味わいなんだろうか?・・などと考えていました。
今回のアダム師のセミナーに参加してみて、
ゼットラー兄弟のシステマにも、
モスクワ的なインターナルワークの影響は
しっかりと入っているんだな、という驚きがありました。
身体能力抜群のゼットラー兄弟に
奥深いインターナル要素も入ったわけですから、さらに凄味を増した印象です。
(おそらく、ブレンダン師も大幅に進化しているんでしょう。)
また、アダム師とブレンダン師の違いも感じました。
ブレンダン師は、いかにも格闘好きなイケイケの好青年という印象で、
2012年のセミナー終了後に自分がストライクを打ってもらった時などは、
あと一発で悶絶しそうなくらいまで、
強烈なストライクを連発で入れてくれました。
(自分はそういうノリが好きな方なので、嬉しかったです。)
一方、自分は今回もセミナー終了後に
アダム師にストライクを打ってもらいましたが、
相手に配慮した、非常~にソフトなストライクでした。
アダム師はきっと、穏やかで優しい性格なんだろうなと思いました。
アダム師と接してみて驚いたことは、
呼吸を通してエネルギーを満たしたフルな体の状態に触れると、
表面は柔らかいものの、中から跳ねかえされるような弾力を感じました。
ミッチリとした重量感があります。
ところが、記念写真の撮影の時などに、
アダム師の体に触れると、もう、
フワッフワッ、トロットロに柔らかいんですよね。
今回のセミナーのテーマである「リラックス」は
システマ四大原則の1つですし、
システマ修行者には割と当たり前のベタな原理ではあります。
しかし、その「リラックス」の練り込み方や、それを体現した身心の作り方自体が、
ゼットラー兄弟と一般のシステマーとは根本的にレベルが違うように感じました。
自分もまだまだ修行が足りんな、レベルが低いなと、
しみじみと感じさせられたので、
今後のシステマ南埼玉の練習の中で、
じっくりと練り込んでいきたいと思います。
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けっこうな長文になりましたが、最後に、嬉しいお知らせです。
アダム・ゼットラー師は今回の日本滞在中に、
東京の夜景をバックに、素敵な美人の彼女(サマンサさん)に
プロポーズしたようです。おめでとうございます!!
いや~、つくづく、ニクいことをしてくれるもんですね。カッコよすぎです。
このニュースを知って、アダム師のリア充ぶりが改めて羨ましくなりました。
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◆システマ南埼玉◆
月曜(夜練) 22:30~24:00
木曜(夜練) 22:30~24:00
土曜(通常クラス) 9:30~12:00
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