8月11日(土)に行ったクラスの感想を書いておきます。
(特に、クラスに参加した方は、復習の参考にしていただければと思います。)
このクラスは、参加者7名と割と盛況でした。
昔はお盆の時期はパッタリ人が来なくて、マンツーマンや一人稽古の場合もあったものですが。
システマ南埼玉もそれなりに長く続けていますから、
地域にだいぶ定着してきたなと、感慨深いものがありました。
クラスのテーマとしては「緊張のコントロール」を軸にして、
ホールドから逃れる動きを練習してみました。
それでは、ご参考までに、このクラスの練習内容の一部を
画像とキャプションでご紹介します。
・・・一部のワークしか紹介していませんが、
今回のクラスでは、このような内容でやってみました。
参加者の中には、今回がシステマ初体験という女子大生や、
システマ歴が浅い人、久しぶりにクラスに来た人もいたため、
ごく基本的な内容から始めました。
具体的には、体の各部に緊張を入れて抜くワークや、
DVD “Escape from Hold” で紹介されている動きなど、
昔ながらのシステマであり、どちらかといえばエクスターナル寄りの内容です。
そして、クラスの後半には、5月のセミナーでダニール師が説明していた
「人をコントロールしてテイクダウンする4つの方法」を練習しました。
具体的には、以下の方法です。
① リラックスを使う方法(テンションを使わない)
② テンションを使う方法
③ テンションを受け入れて、そのテンションを返す方法
④ テンションを受け入れずに、テンションを返す方法
このように、昔ながらの基本的な内容と、最近の高度な内容のどちらも押さえて、
初心者もベテランも楽しめるように配慮しました。
クラスの最後に参加者に感想を聞いたら、
「エクスターナルやインターナルのどちらにも偏らず、
バランスが良かった」など、全体的に好評でした。
また、クラス前半の基本的な内容が意外と新鮮だった、という声もありました。
最近のシステマはインターナルワークを重視するなど、かなり高度化しているため、
新しく始める人には難解で、わけわかめ状態になるのでは?という懸念があります。
そのため、今後のシステマ南埼玉でも、
昔ながらのシステマと最新のシステマをバランスよく配分して、
敷居が高くなりすぎず、なるべく間口を広げた形に
練習内容を工夫していこうと思います。
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また、クラスの最後に行ったフリーワークでは、
システマ東埼玉代表のTさんを相手に、
「かなりガチンコ気味に、相手に負けないように意識したスパー」をやってみました。
普段のスパーより真剣味があり、
システマ的、武術的というより、格闘技的といった味わいのスパーリングです。
システマ南埼玉でも、普段のシステマらしいスパーリングでは基本的に、
リラックスして、勝ち負けにこだわらず、
ゲーム感覚で楽しむような意識で・・自由攻防を行っています。
システマはリラックスを重視し、破壊を否定する武術ですから、
そのようなスパーリングへの取り組み方こそ、正しく適切だと思います。
また、緊張して動きが固くなりがちな初心者の内は、
特にそのような「ガチンコになりすぎない」意識の持ち方が重要でしょう。
もっとも、そのような意識の持ち方は、なかなか難しい面もあります。
人によっては、リラックスしすぎて必要な緊張も抜いてしまったり、
相手の攻めを受け入れすぎるなど、現実味を欠くこともあるように思います。
そのため、実際の戦いの場面では通用しないような
ファンタジー的な動きになるかもしれません。
2015年にトロント本部のマックス・フランツ師の来日セミナーに参加した際、
「日本人はテイクダウンされる時、必要もないのに、簡単に倒れすぎる」
とマックス師が苦言を呈していたことが、自分としては強く印象に残っています。
その辺りは、相手を尊重する日本人らしい美徳なのかもしれませんが、
普段の練習やスパーリングでそのような真剣味や現実味がない動きばかりをしていると、
相手が全く忖度なく、全力で攻めてくるような実際の戦いの場面で、
どれだけ効果的な対処ができるんだろうか?、と疑問に思います。
したがって、システマの中級者~上級者は、
強めに相手に攻め込んだり、負けまいと踏ん張ったりするなど、
緊張度の高いスパーリングも時々は経験しておいた方がいいと
自分としては考えています。
そのような背景もあり、今回のクラスで
システマ東埼玉代表のTさんと「ガチンコ気味のスパー」を
やってみたわけですが、緊張度が高くなる分、
なかなかスンナリといかない部分も多く、大変勉強になりました。
Tさんはさすがに、錬空武館の掛け試し稽古会に毎月参加しているだけあって、
格闘技的な真剣味のある動きをしてくれて、歯ごたえがありました。
ガチンコの緊迫した戦いの中でも、
リラックスしてcalm(穏やか)な状態で対処する、
というのはかなり難しいことだと思います。
多くの武術が理想とする境地といってもいいでしょう。
(その辺りが、システマが高級な武術だと思う点でもありますが。)
その困難な理想的な境地を緊迫した戦いの中で実現するためには、
今回のクラスで練習した「人をコントロールするする4つの方法」の内、
③ テンションを受け入れて、そのテンションを返す
④ テンションを受け入れずに、テンションを返す
・・・を活用することが特に重要だと自分は考えています。
システマ南埼玉では、スパーリングなどの自由攻防を普段からよく行っていますし、
今後は緊迫度を高めたスパーも時々は実施していこうと思います。
ただ、うっかりすると、スパーのたびに
ガチガチに緊張して動きが悪くなるおそれもありますから、
上記の③④の手法をみっちりと練習するなど工夫しながら、
「緊迫度の高い状況での強いリラックス」という理想を追求していこうと思います。
よろしくお願いします。
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◆システマ南埼玉◆
月曜(夜練) 22:30~24:00
木曜(夜練) 22:30~24:00
土曜(通常クラス) 9:30~12:00
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