5月7日(土)のシステマ南埼玉では、
4月のミカエル師 東京セミナーの2日目に教わったスティックワークをシェアした。
実をいうと、今までシステマ南埼玉ではスティック(杖)を使ったワークを行ったことは滅多にない。
システマ南埼玉を発足して5年続けてきた中で、せいぜい3~4回程度だろう。
それはなぜかというと、スティックを持参してほしいと参加者に呼びかけると、
クラスへの参加率が下がると予想されるから。
システマのスティックワークで使う杖としては、
合気道の4.2尺の杖が適当だと思うが、
武道具屋やAmazonなどで買おうとすると3000~5000円くらいかかる。
システマ初心者の方は特に、購入に抵抗を感じる人もいるだろう。
滅多に行わないスティックワークのために
杖を買ってクラスに持参してほしい・・と呼びかけると、
ただでさえ少ないシステマ南埼玉の参加者がさらに減ってしまうのではないかと思い、
なかなかスティックワークをやろうという気持ちにはなれなかった。
とはいえ、4月のミカエル師のセミナーで長い得物を使うシステマの手法を教わったばかりだし、
最近はシステマ南埼玉にも熱心な参加者が増えてきたこともあり、
この機会に久しぶりにスティックワークのクラスを行うことにした。
5月7日(土)のクラス当日は幸いなことに、自分を含めて6人とそこそこの参加者が集まり、
スティックの他にも木刀などの長い得物を持参してくれた人もいて、
無事にスティックワークのクラスを行うことができた。
セミナーから日数が経って、その頃の感覚も薄れてきていたから、個人的には良い復習になった。
基本的に、セミナーの際にミカエル師、ダニール師から教わった内容をそのまま伝えたわけだが、
その中で新たな発見がいろいろあって得るものが多かった。
システマの他の分野に比べて、自分もスティックワークは練習量が絶対的に少ないから、
もっともっと練習が必要だと思った。
自分以外の参加者は、今回のクラスでシステマのスティックワークを初めて体験する人が大半だったが、
クラスの中でみるみる内に動きが良くなっていくのが面白かった。
スティックなどの武器を使うと、システマの原理の習得が格段に早くなるなと改めて思った。
セミナーで教わったスティックワークを一通りシェアした後は、
スティック感覚を徒手格闘に活かす練習や、スティックなどの武器感覚を活かしたフリースパーなども行った。
そのスパーでは、対戦相手が以前より非常に手強くなっていて驚いた。
武器を使った練習の効果が素晴らしすぎて、うっかりすると、
自分もスパーでやられるぐらい参加者を強くしてしまうなと、少々脅威に感じたほどだった。
まあ、自分もボコられるぐらい強い相手とスパーする方が楽しいのだが。
ここ2~3年の自分は、自宅での練習では、
木刀や鞭などの武器を使った練習をよく行っている。
その中で、「武器を自分の体のように自在に扱う」
「自分の体を武器のように精密に扱う」ことの効果をしみじみと感じている。
例えば、ストライクを打つ際は、「手首を真っ直ぐ」することが非常に重要だが、
システマ歴が長くても、手首が曲がったままストライクしている人は結構いると思う。
そういう人は、拳や腕を日本刀のような武器にたとえると、
刃筋を立てずに寝かせた状態で切っているようなものだと思う。
日本刀でそんな切り方をしたら、うまく切れるわけがないのと同様に、
手首が曲がっていては、効果的なストライクになるはずもない。
しかし、意外と自分の体への感覚は鈍いことが多いから、
自分の拳や腕でストライクすると思うと、手首が曲がってもそれほど気にならないのだろう。
そういう人は、上腕までが自分の腕で、
手首~前腕はショートスティックのような武器だとイメージしてストライクすると、
より精密な意識で、手首を真っ直ぐに整えた正しい軌道でストライクできるのではないかと思う。
自分の場合も、自宅で武器を使った練習を始めて以来、
数多くの気づきがあり、身体の使い方もシステマの実力もかなり向上したと実感している。
だから、システマ南埼玉の参加者の皆さんにも、
ぜひスティックや木刀などを購入されることをお勧めしたい。
普段の自宅練習でも武器を使うと、システマの実力の伸びが数段速くなるのは間違いない。