10月1日(土)にシステマジャパンが主催した
大西亮一インストラクターのワークショップに参加してきたから、
その感想を書いておこうと思う。

会場の荒川総合スポーツセンター武道場には、
62名のシステマ愛好者が参加する盛況だった。

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熱心なシステマ愛好者が集結して、とても良い雰囲気のワークショップでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

ワークショップの内容としては、
以前から個人的に気になっていた「受動的ブリージング」を軸に、
トロント本部・モスクワ本部直輸入の最新のシステマをシェアしてもらった。

大西インストラクターのシステマへの深い理解とキレキレのデモは素晴らしく、
華麗なる大西さんワールドを堪能させてもらった。

昔から大西インストラクターの実力は凄かったが、
今年のトロント修行・モスクワ修行をへて、
ますますとんでもない領域に到達しているな・・と感心させられた。
(大西さんがいまだにシニア・インストラクターに
 なっていないのには違和感を感じる。)

また、大西さんの質の高い動きに説得力があるのはもちろん、
ワークショップ参加者にシステマの深遠な原理を
分かりやすく端的な言葉で示してくれる点も、非常に有難いと思った。

今まで、ミカエルやヴラディミアの凄い動きを見て、
ひょっとしたらこういう原理なのかも?・・などと
ボンヤリ考えていたいくつかの仮説について、
大西さんの言葉によって確証が得られたのは嬉しかった。

個人的には、今回のワークショップに参加しただけで、
はぐれメタルを10匹くらい倒したようなレベルアップ感があった。

自分の他にもシステマ南埼玉系の人が多数参加していたが、
みんな満足感があったのではないかと思う。

システマ界の進歩は非常に速くて、ついていくのが大変だが、
今回のワークショップを通じて
最先端のシステマをフォローできて良かった。

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ところで、最近のシステマ界で話題になっている
「受動的ブリージング」について少し説明しておきたい。

※ なお、システマ吉祥寺西部インストラクターも、この新しい呼吸法について
とても良い記事を書いているので、ぜひ読んでみて下さい。
(人によって、受動的ブリージング、第二の呼吸、ミニマムブリージングなど、
呼び方は様々なようですね。)

「ミニマムブリージング」
http://ameblo.jp/systemakichijyouji/entry-12206113191.html

 

従来のシステマでは、呼吸で動きを導くのが基本だが、
「受動的ブリージング」ではその逆で、動きが呼吸を導く

ワークショップではまず、大西インストラクターのリードで
「受動的ブリージング」を使ったウォーキング、プッシュアップ、スクワットなどに取り組んだが、
今までのシステマの呼吸法とは正反対のやり方だけに、
自分も含めて戸惑った人が多い様子だった。

続いて、自分をホールドした相手を崩すワークでは、
「エクスターナル」「インターナル」「受動的ブリージング」と
それぞれ違った原理によるアプローチで取り組んでみた。
「受動的ブリージング」を使うと、自然かつパワフルな動きで、
簡単に相手を崩すことができることが分かった。

その後は、ストライクを打ったり受けたり、
グラウンドの攻防をやったり、テイクダウンをやったり・・・と、
様々な動きの中で、「受動的ブリージング」の効果を検証していった。

特に、ワークショップ終盤で行なった
グラウンドでの対複数の捌きは、非常に面白かった。 

攻め手3人がグラウンドで抑え込もうとするのに対し、
受け手1人が捌いていく・・という厳しい状況設定のワークだったが、
「受動的ブリージング」を使うと、簡単に切り抜けられることが分かった。

通常の呼吸で動いたら、1人の攻め手の動きにぶつかっている間に、
別の攻め手に抑え込まれてしまうことが多い。 

一方、「受動的ブリージング」を使うと、
リラックスした肺の内圧がエンジンになり、
それと同時に、相手の動きを感じるセンサーになったような感覚で、
複数の攻め手の動きをウナギのようにすり抜けていくことができる。 

このようなワークを通じて、
「受動的ブリージング」って、物凄い可能性を秘めているな・・と
巨大な鉱脈を掘り当てたような喜びを感じた。

自分は数年前からミカエル師が提唱している
インターナルワーク中心のシステマ、いわゆる、
ニュースクールの習得に熱心に取り組んできた。

インターナルワークを練習するたびに、
ミカエル師はシステマの世界をとてつもなく高いレベルに引き上げているんだな・・と
しみじみ感心している。

ところが、今回のワークショップで「受動的ブリージング」を体験してみて、
インターナルワークのほかにも、まだまだ奥深い領域がシステマにはあるのか!と驚いた。
ミカエル師の進化の速さには脱帽させられる。 

地道に練習を重ねてシステマがそれなりに上達したつもりでも、
ミカエル師が恐ろしい速さでどんどん先に進んでいくわけだから、
一般のシステマ愛好家がついていくのは大変だと思う。 

しかし、システマはそれだけ広く、奥深く、進化し続ける武術だからこそ、
常に新鮮な気持ちで楽しく練習できるともいえる。 

今回のワークショップで学んだ
「受動的ブリージング」などの高度な内容は、
自分の生活の中で練習していくのはもちろん、
今後のシステマ南埼玉のクラスでも復習・シェアしながら、
練度を高めていきたいと思う。