6月16日(土)に行ったクラスの感想を書いておきます。

(特に、クラスに参加した方は、復習の参考にしていただければと思います。)

先日、新幹線の中で刃物をふるう暴漢により死傷者が出るという凄惨な事件が起きました。
平穏な生活を送っていても、いつ何時、このような突発的な事件に
巻き込まれるか分からないなと、自分としては衝撃を受けました。

そのため、今回のクラスでは、
刃物で襲われるような危険な状況に遭遇した場合、
システマで養った感覚や動きを活かして、どのようにサバイブするか
というテーマで練習してみました。

それでは、ご参考までに、このクラスの練習内容の一部を
画像とキャプションでご紹介します。

 

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【6/16(土)システマ南埼玉の練習風景①】 ナイフのスタブ&スラッシュを捌くワーク。攻め手は本気で刺しにいきます。

 

 

 

 

 

 

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受け手の避け方がまずかったら、ナイフを待つのと逆の腕で攻撃なども有りで。普段のナイフワークより真剣味が増し、緊張度も増します。細かい捌きのテクニックというより、ポジショニングが大事になりますね。

 

 

 

 

 

 

 

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実際、刃物を持った暴漢に遭遇したら、逃げるのが一番でしょう。普段からランニングはやっておきたいですね。

 

 

 

 

 

 

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逃げられない場合は、手近な物を持って対処した方がいいですね。折り畳み傘とか。この画像では、警棒にもなるハンディライトを使っています。

 

 

 

 

 

 

 

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また、椅子とか自転車などを使って制圧するのもいいと思います。素手で対抗するのは、本当に最後の手段ですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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【6/16(土)システマ南埼玉の練習風景②】 ミカエル師の東京セミナーで練習した掌を攻めて相手の体全体をコントロールするワーク。

 

 

 

 

 

 

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このワークの術理をナイフの捌きにも活かすために復習してみました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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【6/16(土)システマ南埼玉の練習風景③】 ミカエル師の東京セミナーで学んだ要素を活かして、相手の手首や腕をつかんだり、抑えたりして、コントロールするワーク。

 

 

 

 

 

 

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相手の攻撃から受ける恐怖感や緊張を手に集めて体をクリアにすると、簡単に相手をコントロールできます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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【6/16(土)システマ南埼玉の練習風景④】 先程のワークを発展させて、ナイフ攻撃を捌きます。

 

 

 

 

 

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ここでも、恐怖や緊張を手に集めて体をクリアにすると、余裕を持ってナイフ攻撃を捌けます。

 

 

 

 

 

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ナイフで攻撃されたら、攻め手の腕を咄嗟につかんでしまいがちだと思いますが、そのような場合に有効でしょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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【6/16(土)システマ南埼玉の練習風景⑤】 攻め手は受け手に近づき・・・

 

 

 

 

 

 

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任意のタイミングでいきなり強めのストライクを打ち込みます。受け手はそれを捌きます。

 

 

 

 

 

 

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次のワークで、ストライクをナイフ攻撃に発展させたいため、ストライクは振り打ち(ナイフのスラッシュに相当)も使いました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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【6/16(土)システマ南埼玉の練習風景⑥】 クラスの最後のフリーワーク。自分と常連のMさんの対戦。

 

 

 

 

 

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レスリング中心ですが、いきなり強目のストライクを打ち込んだり・・・

 

 

 

 

 

 

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隠し持ったナイフで攻撃してもよい、という形式で行いました。

 

 

 

 

 

 

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今回のクラスで練習した要素が全て活かせるスパーだといえますね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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【6/16(土)システマ南埼玉の練習風景⑦】 引き続き、フリーワーク。Mさんと新人のK君の対戦。

 

 

 

 

 

 

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なかなか良い攻防でした。

 

 

 

 

 

 

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本当は、参加者の総当たりでもっとスパーの数をこなしたかったんですが、ここで時間切れになったのが残念です。

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・一部のワークしか紹介していませんが、
今回のクラスでは、このような内容でやってみました。

昔、システマジャパンに自分が生徒として通っていた頃も、
凶器を使った通り魔殺人事件が起きた後などは、刃物による脅威に対してどう対処するか、
リアルに想定したメニューをインストラクターが考えて、クラスで練習したものでした。

それにならって、今回のクラスでは時事問題をタイムリーに取り入れつつ、
護身についての自分の考え方も説明しながら、真剣味のある練習を行いました。

例えば、ナイフのスタブ攻撃を捌く練習をする時も、
攻め手は何となくフワッと突くのではなく、相手の体を貫くような気持ちで本気で突きます。

すると、恐怖感により、受け手の体が固まって居着きがちになりますから、
体から緊張を出してリラックスした状態にする必要があります。

そこで、数年前からミカエル師が来日セミナーでよく指導している
「体の緊張や恐怖を手に集めることで、体をクリアにする」という術理を活用すると、
非常に良い具合に、ナイフ攻撃を捌くことができました。

相手のナイフ攻撃により生じる恐怖や緊張が大きければ大きいほど、
それをうまく体から出して手に集められれば、
より強力なテイクダウンやストライクで相手を制することができます。
危険な状況では、ものすごく有効な術理だと思いました。

5月末のミカエル師&ダニール師の東京セミナーで学んだ内容との
関連性もよく理解できましたね。

今回のクラスは、とても充実した内容で練習できたので満足感がありました。
また、自分はこういうリアルで実戦的な練習がやりたいからシステマを修行している面が大きいなと、
改めて思いました。参加者にもかなり好評でした。

このようなリアル志向の練習は、今後も随時、クラスに取り入れていきたいと思います。

 

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今回のクラスでは、直近の物騒な事件から刺激を受けて、

刃物を使った暴漢に対処する状況をリアルに想定したワークを行ったわけですが、
このような練習について、人によって様々な意見があると思います。

例えば、

「実際に刃物を持った暴漢を素手で制圧することは不可能だから、こんな練習は意味がない」

・・など「それを言っちゃあおしまいよ」的な意見を言う人もいます。

たしかに、自分としても、刃物をふるって暴れる相手に
素手で対処することは現実的ではないと思います。

実際にそのような暴漢に遭遇したら、自分はまず間違いなく逃げるでしょうね。
(そのために、普段の自主トレーニングではランニングは欠かしていません。)

もし、逃げられない状況であれば、
折り畳み傘や鞄などの手近な物を持って対処するでしょう。
素手で刃物に対抗するのは、逃げられず、
物も見当たらない場合の、本当に最後の手段です。

モスクワ本部の達人、ザイコフスキー師も、
「システマの動きでナイフを持った相手を
捌くなんてとんでもない。自分は石を投げつける。」
ということを言っていました

しかし、だからといって、システマのナイフワークに意味がないとは考えません。
むしろ、普段から積極的に練習した方がいいと思います。

その理由としては、ナイフなどの武器を使った方が
真剣味が増し、感覚が鋭敏になりますし、身体の使い方も精妙になります。
素手の攻防に比べて、トレーニングの効果が格段に上がるんですよね。

とはいえ、いざとなったらナイフを捌けそう・・と自分の動きを過信しないためにも、
本気で攻めに来るリアルスピードに近いナイフワークも、たまには練習した方がいいでしょうね。
(大抵の場合、本身のナイフなら何度も死んでいるくらい、切られまくると思います。)

武器を相手にすることがどれだけ難しいことか、
不可能性を発見するための練習だと、自分はナイフワークを捉えています。
その分、万が一の場合のために、動きをもっと練らないと・・と練習の励みになりますね。

本身の刃物で殺りにくる相手に対処する練習は実際にはできないわけですが、
そういったリアルな状況を想定して練習することも、時には有益だと思います。

システマを長年にわたり修行していると、練習内容もついマンネリ気味になりがちですが、
たまには今回のクラスのような真剣味のあるワークをやると、よい刺激にもなりますね。

軍隊格闘術であるシステマを修行しているわけですから、
普段から、治にいて乱を忘れず、の意識を持って練習に励んでいきたいと思います。

 

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システマ南埼玉

月曜(夜練)    22:30~24:00
木曜(夜練)    22:30~24:00
土曜(通常クラス) 9:30~12:00

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