7月23日(木)・24日(金)に
システマ大阪15周年記念イベントとして開催された
ミカエル・リャブコ師 & ダニール・リャブコ師の
ウェビナーに参加しましたので、その感想を備忘録として書いておきます。
本来であれば、今年も例年通り
5月にミカエル師とダニール師が来日してセミナーが開催される予定でした。
しかし、コロナウイルスの影響により、来日できる状況ではないということで、
セミナーは残念ながら中止となってしまいました。
今年の状況ではさすがに、ミカエル師とダニール師のシステマに
触れられなくても仕方ないな・・という気でいましたが、
システマ大阪がインターネットを通じたウェビナーとして
ミカエル・リャブコ師 & ダニール・リャブコ師のセミナーを開催してくれることを知り、
これは参加せねば!と思い、申し込んでみました。
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7月23日(木)のウェビナー1日目の参加者は、
ざっと数えて50人くらいだったと思います。
ウェビナーは、Web会議ツールのZoomを使って
モスクワにいるミカエル師・ダニール師と中継する形式で行われました。
自分は今年の3月からずっと在宅勤務のリモートワークを続けています。
社内の関係者や取引先と毎日のようにZoomを使ってやり取りしているため、
今回のウェビナーも、思ったより違和感がありませんでした。
とはいっても、仕事ではない用途で、
システマのセミナーをZoomを使って
オンラインで受講するのは初めての体験でしたから、
なかなか新鮮な印象も受けました。
自分が子供の頃には、「21世紀にはテレビ電話で会話している!」というような
未来予想図が少年向け雑誌に載っていたりしましたが、
今がまさにそのような時代になっているなと、感慨深いものがありました。
ウェビナー1日目の具体的な内容としては、
「床に落ちる」という行為を通じて、
恐怖や緊張をなくした状態や動きを追求する、
というテーマで一貫していました。
床に落ちる際には誰でも、本能的に恐怖や緊張が発生してしまいます。
そのような恐怖や緊張は、幼児の頃に二本の足で立って歩く練習を始めた時、
転んで床に落ちた経験から生じて、
大人になっても頭の中のどこかに残ってしまったものだと
ミカエル師は語っていました。
ウェビナー1日目の大半はひたすら
「床に落ちる」という行為を繰り返すことで、
その際に生じる恐怖や緊張を、まずは繊細に感じ取り、
それを解消していくことを目指しました。
手を使わずに床に落ちるパターンや、
グラスを手に持って、その中の水をこぼさないように床に落ちるパターン、
目を閉じて床に落ちるパターンなど、様々なバリエーションも行いました。
そして、パートナーと一緒にウェビナーに参加している人は、
ペアを組んでのエクササイズにも発展していきました。
例えば、攻め手は受け手をホールドして攻撃し、
受け手はそこで生じる緊張を解消してリラックスすることで対処する、などのワークを行いました。
(パートナーがいない人には、そのような複数によるワークと
同様の効果が見込めるソロワークが指示されました。)
自分は残念ながら、自宅で1人でウェビナーに参加したため、
ソロワークしか行いませんでしたが、
「床に落ちる」というシンプルな行為を何度も行う中で、
これはシステマの本質的な要素を養うことができるワークだな・・と感じました。
(ミカエル師やダニール師も、「これは非常に深いワークです」と言っていました。)
長年にわたりシステマを修行してきた自分は、
リラックスして床に落ちること自体は、特に問題なくできるようになっています。
しかし、今回のセミナーのように、その行為の本質的な意味を深く考え、
精度やクオリティの向上をじっくりと追求する機会は、あまりなかった気がします。
インターネットを通じたウェビナーという形式ではありますが、
人間のより良い状態や動きを深く追求するというアプローチは、
例年のミカエル師・ダニール師の来日セミナーと全く同じだなと思いました。
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7月24日(木)のウェビナー2日目の参加者も、
おおよそ50人くらいだったと思います。
この日は、じっくりと時間をかけて行う
プッシュアップやスクワット、レッグレイズを軸とした構成でした。
ウェビナー2日目の大半にわたり、ひたすらスローな四大運動を行い、
終盤には、それを基にした対人練習にも発展していきました。
そのようなスローに行う四大運動は、
古くからのシステマ修行者にはおなじみの定番のワークです。
自分は、1分で下げて1分で上げたり、
片道2分で行うプッシュアップやスクワットは
過去に自主トレのルーティンの1つとして
数年間にわたり定期的にやり込んでいますから、
今回のウェビナーで久しぶりにやってみても、何とか達成できました。
しかし、ミカエル師はウェビナーが進むにつれて、
今度は3分で上下して下さい、次は5分で・・と
次第に時間を延ばしていきました。
自分は片道3分は何度かやったことがありますが、
片道5分は未知の領域でしたから、かなりキツく感じました。
(特にプッシュアップがキツすぎます・・・)
この手のスローなワークを相当やり込んだシステマ修行者でも、
さすがに、片道5分のプッシュアップなどはそうそう出来ないだろうと思います。
何故、ここまで極度にスローなワークをあえて行うのだろうか?、
ちょっとキツすぎるのでは?・・・などと疑問を持った人もいたかもしれません。
ミカエル師は、このスローなワークをやる際には、
その目的を考えた上で行った方がよい、と語っていました。
そして、このワークの意味をしっかり教えてもらえましたから、
自分としても納得感がありました。
システマの基礎的なワークの奥深さを改めて感じました。
ミカエル師によれば、このスローなワークを行うことで、
神経や筋肉や腱を鍛え、動きに必要な体力を養い、
辛い状況でもリラックスできる良い姿勢を身に付けられます。
また、自分に克つ強い精神力を養成することができる、ということです。
ここまでの説明については、
自分も以前からスローなワークの効果として理解していましたが、
今回のウェビナーでは、さらに奥深いレベルまで説明されていました。
このスローなワークを片道1分~3分で行えば、
上記のような素晴らしい効果が期待できますが、
このワークを片道5分で行えば、さらに神秘的な効果があり、
自分が抱えている精神的な問題や
負の感情などを解消することができる・・ということです。
(また、このワークを片道10分以上で行うことができたら、
もっと複雑な問題を解決できる、とのことです。)
例えば、自分自身のサイキを整え、
周囲の人々との関係性をも改善できるような
不思議な効果が期待できる、ということでした。
(このブログ記事で詳細に語るには、あまりに深すぎる内容ですから、
要点だけ簡単に記載するにとどめます。)
実際に、今回のウェビナーの中で
片道3分以上のスローなワークを行ってみると、
ミカエル師が語っていた様々な神秘的な効果が得られるような感覚が出てきました。
(その辺りは、まだまだ練り込み不足ですので、何となくの感覚ですが。)
自分はスローな四大運動は過去に結構やり込んだという自負もあり、
ここ数年は、自主トレの際にあまり行っていませんでした。
しかし、根本的なシステマ力を養える素晴らしいワークだなと改めて感じましたし、
さらに、より次元の高い神秘的な効果も期待できるということで、
今後は改めて自分のルーティンに取り入れようと思いました。
片道5分はさておき、片道3分のプッシュアップが楽に出来るようになったら、
フィジカル的な基盤だけでなく、サイキの整い方も格段に違ってくるだろうという期待感があります。
ミカエル師は最終的に、
プッシュアップを10分で下げて10分で上げる・・と言っていましたが、
そのような究極的な目標を設定するのも、面白いと思います。
非常に厳しい目標ではありますが、死ぬまでに実現できたら、
心身ともに相当なレベルに達していることだろう・・と楽しみになります。
※ なお、念のための補足ですが、
「システマの動きに必要なフィジカル的な基盤を作る」という目的でやる場合は、
スローな四大運動の時間を無理に長く伸ばし続ける必要はないと考えられます。
自分の体感では、片道1分~2分で出来れば、ひとまずは十分な効果が望めると思います。
※ ミカエル師は、このスローなワークについて、
「片道3分までで行う場合は、自分のためのエクササイズであり、頻度は週1回くらいでよい」
「片道5分で行う場合は、周囲の人のためのエクササイズであり、必要になった時にやるとよい」
・・・などと、細かく説明してくれました。
(その辺りの詳細な意味を深く知りたいという方は、
今回のウェビナーに参加した人に、ぜひ聞いてみて下さい。)
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自分が今回のウェビナーに参加するにあたり、
年に一度はミカエル師やダニール師のシステマに触れなければ・・という思いもありましたが、
それに加えて、「システマのウェビナーって、どんな感じなんだろう!?」という興味がありました。
仕事やキャリアアップに必要な新しい知識を得るための勉強会などは、
ウェビナーによる座学でも十分だと思いますが、
システマという武術のエッセンスを学ぶ上では、
オンラインでのウェビナーではかなり厳しいのでは!?
・・という懸念も、率直に言えばありました。
自分は毎年、ミカエル師やダニール師、ザイコフスキー師の
来日セミナーに参加してきましたが、
マスターやシニア・インストラクターの
圧倒的な実力や存在感、リラックスした動き、繊細な感覚・・などを
同じ会場でじかに体感することこそ、セミナーの大きな価値だと考えています。
その辺りのリアルな体感が、ウェビナーでは得づらいでしょうから、
従来の来日セミナーに比べて、満足感がかなり落ちるのでは!?・・という気もしていました。
・・・ところが、今回のウェビナーに参加してみて、
事前の予想より、はるかに大きな充実感や満足感が得られました。
ウェビナーだからといって見送らずに、参加して良かったなと思います。
さすがに、ミカエル師やダニール師の動きを体感する
という意味では厳しい面がありましたが、
ウェビナーを通じて得られる学びや、新しい発見の大きさは、
従来の来日セミナーとあまり変わらないように感じました。
(その辺りは、この記事で長々と書いてきた通りです。)
ウェビナーの進め方を振り返ると、
ソロワークの意味や行う上での注意点について
普段のセミナーにも増して詳細な説明がありました。
また、パートナーと一緒に参加している人には複数のワーク、
1人で参加している人には同様の効果が見込めるソロワークを指示されるなど、
細部にわたり、ウェビナーを効果的にするための運営上の工夫が施されていたと感じました。
結論としては、システマを学ぶ上でも、ウェビナーという形式は有り!だと思いましたね。
余談ですが、自分はほぼ毎晩、ビールを飲む習慣がありますが、
いわゆる発泡酒や新ジャンルは、基本的に飲まないようにしてきました。
発泡酒や新ジャンルが市場に出始めた頃に何度か試してみたところ、
従来のビールに比べて味が数段落ちる印象があり、これじゃない感が強かったからです。
しかし、先日、何となく気が向いて、
発泡酒や新ジャンルのいくつかの銘柄を飲み比べてみると、
昔より格段に味が向上している感があり、
ビールとあまり遜色ない銘柄もあるように感じました。
値段が安い分、ビールより気軽に買えるのも好印象です。
システマのセミナーについても、
「ビール vs 発泡酒・新ジャンル」に似た関係性があるように思います。
もちろん、マスターやシニア・インストラクターの動きを
実際に体感できるオフラインのセミナーに参加することが一番ですが、
インターネットを通じたウェビナーでも、かなり高い満足感を得ることができます。
自宅から気軽に参加できるというメリットにより、
オフラインのセミナーより参加へのハードルが低い人もいるかもしれません。
少なくとも、コロナウイルスの感染状況を鑑みて、
システマ南埼玉のクラスを長らく休止し、
一人稽古中心で練習している自分にとっては、
今回のミカエル師&ダニール師のウェビナーは非常に良い刺激になりました。
今後も当分の間は、コロナウイルスのワクチンが開発される見込みは立ちません。
早く “Afterコロナ” の世の中になってほしいものですが、
“Withコロナ” の状況はかなり長く続くと予想されます。
そのような状況の中で、システマ修行の上で新しい刺激や学びを得るためには、
ウェビナーという形式は、素晴らしい代替手段になると思います。
自分は今後も、オフラインのセミナーではないからといって食わず嫌いせずに、
トロント本部のウェビナーのクラスなども、
興味深いものがあれば、積極的に受けてみようかなと考えています。
(英語の勉強にもなりますしね。)
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最後に、今回のミカエル師とダニール師のウェビナーを企画・運営していただいた
システマ大阪の大西亮一師をはじめ、スタッフの皆さんに
深く感謝したいと思います。
(また、システマ大阪の15周年、おめでとうございます!)
今までにない試みだっただけに、
何かと準備や調整が大変だったのではと想像しますが、
自分だけでなく、今回のウェビナーに参加したシステマ修行者の多くにとって
素晴らしい体験になったのではないでしょうか。
“Withコロナ” 状況が今後も長く続くようであれば、
また今回のようなマスターやシニア・インストラクターによる
ウェビナーをぜひ企画していただきたいものだと思いますね。
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◆システマ南埼玉◆
月曜(夜練) 22:00~23:30
木曜(夜練) 22:00~23:30
土曜(通常クラス) 9:30~12:00
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