3月11日(土)・12日(日)にシステマジャパンにより主催された
ヴラディミア・ザイコフスキー師の東京セミナー、
「インターナルのフォームと動きの力」に参加してきた。
この東京セミナーは、3月4日(土)・5日(日)に行われた
セルゲイ・オジョレリエフ師 & ヴラディミア・ザイコフスキー師の
大阪セミナー “Double Trouble ~Power&Speed~” の後に、
せっかくだから東京でもセミナーを・・という流れで企画されたものなのだろう。
大阪と東京でセミナーを実施したわけだから、
集客としては分散した面があったと思うが、
それでも今回の東京セミナーには1日目・2日目ともに
70人ほどのシステマ修行者が集まった。
さらに、セミナーの前後に行われた特別クラスも盛況だったようだから
(自分は残念ながら参加できなかったが)、
ザイコフスキー師のシステマに魅力を感じている人が多いことがうかがえた。
3月11日(土)のセミナー1日目は、全体を通して、
「インターナルフォーム」を意識して動く、
という1つのテーマを掘り下げていく内容で一貫していた。
非常に繊細で難しかったが、昨年2月のセミナーの
延長線上にある内容だったから、より理解が深まった気がする。
また、ザイコフスキー師の華麗なる達人的な動きには今回も素晴らしかった。
→【参考】 2016年2月のヴラディミア・ザイコフスキー セミナーの感想
3月11日(土)のセミナー2日目も引き続き
「インターナルフォーム」にフォーカスした内容だったが、
さらに「第二の呼吸」(肺を開く呼吸)の要素を加え、
ストライクやテイクダウンなど様々な動きを試した。
自分は普段から「第二の呼吸」はよく練習しているが、
「インターナルフォーム」と組み合わせると
より高度で複雑になるだけに、その状態を保ち続けるのが難しかった。
また、セミナー終盤になると、物凄く繊細で高度な領域になっていき、脳疲労がドッと出てきた。
自分ではなかなかうまくできないことが多かったが、
ザイコフスキー師と組んだ中で、非常に良い感覚を得ることができたのは収穫だった。
2010年の初来日セミナー以来、
ザイコフスキー師からは大いに刺激を受けてきたが、
今回のセミナーで提示されたテーマ「インターナルフォーム」は
特に巨大な可能性を秘めたものだと思う。
かなり難しいが、何とか修得していきたいと思った。
セミナーで一通りのワークが終わった後は、
参加者全員の集合写真を撮るのが恒例だが、
セミナー2日目の写真撮影はなかなか面白かった。
というのも、「せっかくだから練習の成果を記録に残そう」という発案があり、
参加者全員がセミナーを通じてつかんだインターナルフォームの感覚を発現させて
集合写真を撮影することになった。
この記事の冒頭に載せている
セミナー1日目の笑顔の集合写真と比べてみると、
真顔の人が多いため少し異様な感じがあるかもしれないが、
みんなキッチリ、インターナルフォームが入っている。
(スカウターで計ると、みんなの戦闘力が大分上がっていることだろう。)
セミナー後に「インターナルフォーム」の感覚が薄れてきても、
この集合写真を見返すと思い出せそうだから、なかなか良い工夫だと思った。
(スマホの待ち受け画面にしてもいいかもしれない。)
また、ザイコフスキー師の達人的な動きが凄いのはもちろんだが、
2日間のセミナーだけで、参加者全員の実力を大幅に引き上げる手腕は素晴らしいと感じた。
今回のセミナー全体を振り返ると、
過去のザイコフスキー師の来日セミナーと比べても、
最高に密度の濃い充実した内容だったと思う。
ザイコフスキー師は昔から、「そんな不思議な技、どうやってやるの!?」と
感じさせる達人技を見せてくれたが、今回のセミナーで見せた動きのクオリティは特に物凄かった。
自分がザイコフスキー師と組んだ時は、
予定調和が嫌いだから、結構ガチ気味に抵抗してみることもあったが、
全く問題にせずにスカッと崩されてしまった。
ザイコフスキー師のシステマは、
気をつかってくれる相手など、
特定の条件下でしか成立しないような、
フワッと繊細な達人技ではない。
どんな相手でも、どれだけフィジカルで抵抗されても、
インターナルフォームに届かせて崩せるような、
動きの精度とクオリティが素晴らしいと思った。
思うに、2010年以降の日本のシステマ界は、
ザイコフスキー師から刺激を受けることで
レベルを上げてきたという面が大きい。
ここ数年のザイコフスキー師の進化は速すぎるから、ついていくのが大変ではあるが、
今回のセミナーで示された「インターナルフォーム」というテーマを
着実に身につけていくことで、日本のシステマ界のレベルも格段に向上すると思う。
ザイコフスキー師は今まで来日する度に、
コネクト、calmなステイト、相手の「中」「源」に働きかける、
非対称な反応、アンコンタクトワーク・・・などなど、
システマの様々な重要な要素を伝えてきた。
自分はその都度、ザイコフスキーから示されたテーマを消化するべく練習してきたが、
今回のセミナーで「インターナルフォーム」の概念・感覚を知ることで、
今までにやってきたことが一気につながり、
より明確になり、バージョンアップしたような手ごたえを感じている。
(そのように感じているシステマーは多いのではなかろうか?)
また、自分のようにシステマ歴がそこそこ長い人だけでなく、
システマのごく初心者でも、「インターナルフォーム」の感覚を持ちながら練習していけば、
短期間で飛躍的に上達することもあるような気がする。
だから、今後のシステマ南埼玉では、
「インターナルフォーム」を意識して動く感覚を
積極的にシェアしていこうと考えている。
クラスの参加者がみんな、
「インターナルフォーム」の感覚を標準装備することになったら、
一体どれだけ高いレベルになるのだろうと、ワクワクしてしまう。