5月28日(土)のシステマ南埼玉の練習の感想をご紹介したい。

まず前半は「システマらしい攻防感覚を養う」ことをテーマに進行した。

というのも、先日のブログ記事「スローワーク、フリーワーク」でも触れたが、
システマ南埼玉では経験が浅い人にも頻繁にスパーリングを重ねてもらったために、
その弊害が出てきているような気がしていた。

経験がそれなりにある人でも、相当気をつけていないと、
スパーリングという緊張しがちな状況では、
システマらしくない悪い動きが出てしまう傾向がある。

そこで、

 ・相手の動きに乗る、相手の動きをもらう

 ・相手とコネクトして動く

 ・相手のステイトの変化を捉える

 ・自分のcalm(穏やか)なステイトを保つ

・・・などなど、システマの原理を説明した上で、
その原理をベースとした独特の攻防感覚を養う練習を行った。
基本的にスローワークで、精密に、動きの質を上げることを心がけた。

5.28 練習風景①

こちらは、相手とのコネクトを保ちながら動くワーク。最初は相手に接触した状態で。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

5.28 練習風景②

慣れてきたら、相手と一定の間隔で離れた状態を保ちながらコネクトして動きました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

5.28 練習風景③

こちらは、前回のクラスでもやりましたが、相手のプッシュの勢いを返すワーク。相手の動きをもらい、それに乗って返すわけですが、さらにコネクト感覚を加えると、より精度や効果が上がります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

5.28 練習風景④

続いて、相手のストライク、キック、ホールドなど様々な攻撃に対し、その勢いにコネクトして動いて捌き、反撃するワーク。どんな種類の攻撃も、頭で考えずに、同じコネクト感覚で捌けるようになると、非常に有利に戦えますね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、十分に準備を整えた上で、
クラスの後半には、「第5回 システマ風掛け試し」を実施した。

しかし、いきなりガチンコ気味の掛け試しをやると、
固い動きや、力のぶつかり合いになる傾向があるため、
少し段階を踏みながら自由攻防を進めていった。

具体的には、掛け試しの様子の写真にキャプションを添えて紹介してみたから、
興味のある方は読んでみていただきたい。

5.28 練習風景⑤

掛け試し1回目は、ある程度、攻め役・受け役を決めた形の自由攻防。前半1分・後半1分で、攻め手と受け手を交代しました。なるべくスローで、自分と相手の動きやステイトをじっくりと感じながら行いました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

5.28 練習風景⑥

2回目は、打撃なしのレスリング中心の自由攻防。やはり、なるべくスローで、自分と相手の動きやステイトを感じながら。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

5.28 練習風景⑦

3回目も打撃なしのレスリング中心の自由攻防。ただし今回は、目を閉じて、感覚を鋭敏にした状態で行いました。自分の場合は目を閉じた方が相手を感じやすいので、レスリングはやりやすいです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

5.28 練習風景⑧

4回目は、打撃を含め何でも有りですが、中国拳法の推手のようにスローで繊細な感覚で行う自由攻防。通常の動きの半分以上は遅くして、自分のステイトを感じ、相手のステイトと動きを感じながら。スローで繊細に行うことにより、緊張したり、悪い動きが出てきたら、すぐにフィードバックして修正できます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

5.28 練習風景⑨

5回目は、様子を見ながら徐々に速度をリアルスピードに近づけていき、通常の掛け試し形式に持って行こうと試みました。しかし、やはり、動きの精度を保つためには、少しゆっくり目に丁寧にやった方がいいですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

5.28 練習風景⑩

6回目の最終ラウンドは、全く制限なく自由に、通常の掛け試し形式でやってもらいました。しかし、急に動きが速く雑になる人は見られず、じっくりと丁寧に動いている人が多いように感じました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回のクラスでは、非常に入念に準備を行い、
慎重に段階を踏みながら掛け試しに臨んだわけだが、
参加者の動きの質は以前に比べて目に見えて向上したように感じられた。

勝負にこだわるスパーリングというより、
システマらしいリラックスした自由な攻防感覚を養うフリーワーク、
という意識で取り組んだことも効果的だった。

今回の試みにより、自分の意図が伝わって、
システマらしい攻防感覚を多少なりとも身につけてもらえたなら良かったと思う。
今後も、このようなクオリティ重視のフリーワークは積極的にやっていきたいと考えている。