7月29日(土)に行った通常クラスの感想を書いておきます。

このクラスでは、7月頭のアダム・ゼットラー師の東京セミナー
2日目午後の内容を、ナイフワークを中心にシェアしました。

アダム師のセミナーで印象的だったのは、難解に思えるインターナルワークを、
フィジカルな面から紐解いて、非常に分かりやすく学べるように伝えてくれたことでした。

そのようなシンプルなシステマの捉え方は、自分としても好きな方です。
ですから、このクラスでは自分なりの解釈もまじえて、
抽象的にならず、なるべくシンプルに理解しやすい伝え方を心がけてみました。

具体的には、アダム師がセミナーで常に強調していた
「リラックスした体に呼吸を通して、エネルギーが満ちたフルな体で動く」
という点に、クラス全体を通じて徹底的にこだわりました。

それではご参考までに、このクラスの練習内容の一部を
画像とキャプションでご紹介します。

 

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【7/29(土)システマ南埼玉の練習風景①】  4大運動を止まらずに続けるワーク。南埼玉ではよくやるワークですが、今回は、ライトブリージング、鼻と口を開く呼吸、受動的ブリージングなどを使って、常に体に適度な内圧がある状態を保ちながらやってもらいました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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【7/29(土)システマ南埼玉の練習風景②】  動きの究極ワーク。これも南埼玉ではおなじみのワークですが、体に呼吸を通したフルな体で行いました。

 

 

 

 

 

 

 

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ただリラックスした体で動く時とは、動きのパワーが全く違うことが分かったと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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【7/29(土)システマ南埼玉の練習風景③】 プッシュと受け流し。プッシュする方も受け流す方も、① 固くテンションが入った状態、② だだリラックスした状態、③ リラックス+呼吸を通したフルな状態、の各パターンで行い、その違いを確認してみました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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【7/29(土)システマ南埼玉の練習風景④】 ホールドへの対処。これも先程のプッシュと受け流しと同様に、様々な体の状態でやってみました。

 

 

 

 

 

 

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呼吸を通したフルな体で対処すると、驚くほど楽に相手を崩すことができます。

 

 

 

 

 

 

 
 

 
 

 

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【7/29(土)システマ南埼玉の練習風景⑤】  ナイフへの対処を、呼吸を通したフルな体で行うというワーク。

 

 

 
 

 

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ただのリラックスした状態で対処するより、かなり余裕を持って安全にナイフ攻撃を捌けます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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【7/29(土)システマ南埼玉の練習風景⑥】  至近距離でのナイフによるスラッシュ攻撃を捌くというワーク。攻め手は受け手の反応を見て、切り返して攻撃してもよい、という条件で。

 

 

 

 

 

 

 

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固く受けたり、ただのリラックスで対処すると、ほとんどの場合、切り刻まれてしまいます。しかし、呼吸を通したフルな体で対処すると、相手と接触した瞬間に崩せますから、かなり安全に捌けます。体に通した呼吸が自分を守ってくれる、ということがこのワークを通じてよく分かりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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【7/29(土)システマ南埼玉の練習風景⑦】  最後は、南埼玉で恒例のフリーワーク。参加者総当たりで行いました。

 

 

 

 

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レスリング中心で、プッシュも有り、という条件で。

 

 

 

 

 

 

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今回は全員が「フルな体」に仕上がっていたため、かなり手強く、崩しにくかったです。いわば、界王拳○倍…みたいな状態なわけですから、やりづらいのも納得です。

 

 

 

 

 

 

 

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逆にいえば、同じくらいの実力の相手なら、片方だけが「フルな体」を発現させて対戦すれば、無双状態で圧倒できると思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・以上のワークを通じて、アダム・ゼットラー東京セミナーの
2日目午後の内容をシェアしてみました。

冒頭にも書いた通り、このクラスでは全体を通して、

「リラックスした体に呼吸を通して、エネルギーが満ちたフルな体で動く」 

・・・という点を特に意識しました。

この言葉でアダム師が伝えたかったことはおそらく、
多様な要素を含むものだと思いますが、
今回は「内圧性」にフォーカスして練習してみました。

つまり、ただ脱力したフニャフニャな体ではなく、
呼吸を通すことにより、常に適度な内圧があり、
クッション性や弾力性があるパワフルな体で動く、というわけです。

自転車のタイヤに例えれば、
空気がチューブから抜け切った状態で走ると、すぐにタイヤが傷んでしまいます。
かといって、チューブにパンパンにはちきれそうに空気を詰めても、
タイヤがパンクしやすくなります。

道路を快適に走るためには、少なすぎず多すぎない量の空気が入り、
適度な内圧があるタイヤの状態が望ましいといえます。
システマでいう「リラックスして呼吸が通ったフルな体」というのも、
フィジカルな面から見れば、それに近いように思います。

ということで、このクラスでは、
ライトブリージング、鼻と口を開く呼吸、
受動的ブリージングなど様々な呼吸を用いながら、
内圧性のある「フルな体」でナイフワークをやってみました。

この体の状態ができると、
ワンユニットな体で動けたり、
考えずに自然な体の反応で対処できたり、
動きがパワフルになったり
・・と
良いことずくめだということが再確認できました。

また、ナイフ攻撃を捌く時には、リラックスしてうまく動いたとしても、
後手後手に回ると相当に不利になります。
しかし、呼吸が通った「フルな体」で動くと、
ナイフ攻撃をする相手の腕などに接触した瞬間に崩しが入りますから、かなり対処が楽になります。

アダム師がセミナーで「体に通した呼吸が自分を守る盾になる」と言っていたのは、
このような面も含むんだろうなと思いました。

このクラスでは、あえて「内圧性」にフォーカスして練習してみましたが、
それだけでも、ミカエル師やダニール師、ザイコフスキー師、アダム師などの
システマの達人と接した時の体の感触を
ある程度は再現することができたため、大いに手応えがありました。

もちろん、内圧性というフィジカル寄りの要素に加えて、
インターナルフォームやサイキなどの精神的な要素も重要です。し
かし、いきなり全ての要素をカバーするのも非常に大変ですから、
今回のクラスのように、一つの要素にテーマを絞って練り込んでいくのも効果的だなと思いました。

自分は以前から、武術的な身体の在り方として
「内圧性」は非常に重要だと考えてきましたが、
アダム・ゼットラー師のセミナーを体験して、ますます確信が深まりましたね。

また、身体の内圧が高まって、リラックスしながらも、
内側から湧き出てくるような充実感が出てくれば、
精神的にも安定してくるように思います。

このクラスでひとまず、アダム師のセミナーの内容のシェアは終わりにしますが、
今後もシステマ南埼玉では、肉体的にも精神的にも、
「内圧性」の充実を目指していきたいと考えています。